ユーザーが、nexacroで開発されたアプリを使用するには、使用環境によって適切な実行環境を構築し、必要なファイルをダウンロードする必要があります。このような過程を’配布’と言います。配布されたファイルはキャッシュポリシーによって、内部で管理され、必要なときに新しいファイルに置き換えられます。
デスクトップ、モバイル環境に既にインストールされたWebブラウザでnexacroアプリを実行する場合は、Webサーバーから必要なHTML、javascript、CSSファイルのみダウンロードしてすぐに実行します。ただし、NREでは、別の配布、インストールプロセスが必要になります。詳細な手順は、各実行環境によって異なる場合があります。
概要
nexacroアプリを実行するために必要なファイル区分は実行環境によって異なり、配布されるファイルは次のとおりです。
区分 | 説明 | NRE | WRE |
|---|---|---|---|
Runtimeエンジン | スクリプト、メモリー、レンダリング処理 NREエンジン | O | X |
nexacroフレームワーク | フレームワーク、コンポーネントライブラリ （javascript） | O | O |
コード | ジェネレートで変換されたコード （javascript、CSS） | O | O |
ライセンス | ライセンスファイル | O | O |
NREの最大の特徴はRuntimeエンジンです。Webブラウザ環境では、必要なフレームワーク、コンポーネント、コードをすぐに使用するのに比べ、NREを使用するには、各実行環境に合わせたRuntimeエンジンを別途配布する必要があります。
Runtimeエンジンのインストールはユーザーとしても追加作業となりますが、システム環境に応じて既存に使用していたシステムとの連携が必要であったり、Webブラウザで提供しない拡張された機能を使用することが、NREを利用することで可能となります。
nexacroから提供される基本的な機能は、バージョンに関係なく同じですが、デバイスAPIや外部機器連動などの拡張機能は、実行環境によって異なる場合があります。
配布ファイル
実行環境ごとに配布されるファイルの詳細を説明します。
ファイルの位置またはサーバーの位置を説明するAliasは、パスの設定 を参考してください。
以下に説明されたファイル名と提供されるライブラリは、アップデートによって変更される場合があります。
配布時のオプション設定によって、生成されるファイル一覧が異なることがあります。
デスクトップNRE
Windows NRE
nexacro Runtime Engineの配布後に実行方法によってアプリを呼び出します。コンテンツは同じですが、フレームワークのJavaScriptファイルをサーバーから直接受けずにdllファイルとして提供されたライブラリに含ませて配布します。
分類 | ファイル | 説明 | ファイル位置 |
|---|---|---|---|
Runtime Engine | V8.dll | V8 Script Engine Library | |
XMemLib.dll | Memory Management Library | ||
XBasicLib.dll | Base Libaray | ||
nexacrolib.dll | Platform & Render Engine Library | ||
nexacro.exe | nexacro Executor | ||
Framework DLL | XFrameworkLib.dll | Framework API Library | |
Extend DLL Files | protocol adaptor dll | Network Protocol Adaptor | %UPDATE% |
External DLL | External DLLs | %UPDATE% | |
Runtime Config Files | nexacro.xml | Runtime 実行環境ファイル & UserProfile | %USERAPP% |
Log Files | nexacro_xxxxx.log | ログファイル | %USERAPP%\Log |
Launcher Download Files | splash.png | Splash Image File | %USERAPP% |
loadingimage.png | WaitCursor Image File | %USERAPP% | |
nexacro.ico | Application Icon File | %USERAPP% | |
globalvars.dat | Global Variable Listファイル | %USERAPP% |
ファイル名は、製品バージョンや国別のライセンスポリシーに基づいて異なる場合があります。上記の表では、主要なファイルのリストのみ表示しました。
macOS NRE
macOSは、各OSに応じて、別途のパッケージングプロセスが必要になります。ジェネレートで変換されたコードをArchiveファイルで作成し、各OSに合わせて配布ファイルを作成します。
分類 | ファイル | ファイル説明 | Packing |
|---|---|---|---|
macOS App Files | nexacroN.macOS.framework | macOS Library Framework | macOS App |
start_macos.json | macOS Archive Information | ||
localizable.strings | macOS Locale String Information | ||
Execute HTML | index.html | Hybrid Run Archive | |
Framework JS | Hybrid Engine Archive | ||
Component JS | Hybrid Engine Archive | ||
Resource Files | loadingimage.png | Hybrid Engine Archive | |
Theme File | theme_*.css | Hybrid Theme Archive | |
Application Files | Hybrid Application Archive |
モバイルNRE
Android NRE、iOS NRE
iOS/Androidのアプリは、各OSによって、別のパッケージングプロセスが必要になります。ジェネレートで変換されたコードをArchiveファイルで作成し、各OSに合わせて配布ファイルを生成します。
分類 | ファイル | ファイル説明 | Packing |
|---|---|---|---|
Android App Files | nexacro.aar | Android Archive | Android App |
start_android.json | Android Archive Information | ||
strings.xml | Android Locale String Information | ||
iOS App Files | nexacro.framework | iOS Library Framework | iOS App |
start_ios.json | iOS Archive Information | ||
localizable.strings | iOS Locale String Information | ||
Execute HTML | index.html | Run Archive | |
Framework JS | Engine Archive | ||
Component JS | Engine Archive | ||
Resource Files | loadingimage.png | Engine Archive | |
Theme File | theme_*.css | Theme Archive | |
Application Files | Application Archive |
WRE
必要なすべてのファイルをWebブラウザから直接ロードする方法で実行されます。使用しているWebブラウザによって、性能の違いがある場合があります。
分類 | ファイル | 説明 | サーバー位置 |
|---|---|---|---|
Execute HTML | index.html | %WEBDEPLOY PROJECT% | |
Framework JS | BasicObjs.js | %WEBDEPLOY FRAMEWORK% | |
SystemBase.js | System Utility | %WEBDEPLOY FRAMEWORK% | |
Platform.js | Platform Objects | %WEBDEPLOY FRAMEWORK% | |
CssObj.js | Style Object | %WEBDEPLOY FRAMEWORK% | |
Error.js | Error Information | %WEBDEPLOY FRAMEWORK% | |
Component JS | CompBase.js | Component Base Module | %WEBDEPLOY COMPONENT% |
ComComp.js | Common Component Module | %WEBDEPLOY COMPONENT% | |
Grid.js | Grid Component Module | %WEBDEPLOY COMPONENT% | |
DeviceAPI.js | DeviceAPI Module | %WEBDEPLOY COMPONENT% | |
Resource Files | waitimage.gif | WaitCursor Image File | %WEBDEPLOY RESOURCE% |
Theme File | theme_*.css | Deployされたテーマソース | %WEBDEPLOY THEME% |
Application構成ファイル | DeployされたApplication構成ファイル | %WEBDEPLOY PROJECT% |
ライセンス
ユーザーに配布したnexacroアプリを利用するために、ライセンス情報が必要です。適切なライセンス情報が見つからない場合はアプリ画面の上部に警告メッセージが表示されます。
状態 | 説明 | 動作 |
|---|---|---|
ライセンスなし | Applicationオブジェクトのlicenseurlプロパティが未設定、もしくは 指定されたパスでライセンスファイルが見つからない。 | エラーメッセージ出力 |
製品情報不一致 | ライセンスに明記された製品情報が一致しない。 | エラーメッセージ出力 |
ユーザー情報不一致 | ライセンスに明記されたIPアドレスとホストIPアドレスが一致しない。 | エラーメッセージ出力 |
機能情報不一致 | ライセンスで許可されていない機能の利用。 | エラーメッセージ出力 |
実行環境不一致 | ライセンスで許可されていない実行環境での利用。 | エラーメッセージ出力 |
期間不一致 | ライセンスに明記された開始日が到来していないか、期限切れ状態。 | エラーメッセージ出力 |
ファイル改ざん | ライセンス情報を任意で変更している。 | エラーメッセージ出力 |
通信エラー | licenseurlプロパティに設定されたパスへアクセス時に通信エラーが発生。 | エラーメッセージ出力 |
下記の場合はライセンスをチェックしません。
nexacro studio上のQuickViewで実行した場合
開始ファイルパスがローカルファイル(file://)で実行した場合
localhost（127.0.0.1）で実行した場合