XPLATFORMをサービスするには、XPLATFORMランタイムと開発された応用プログラムを使用者の端末機に設置しなければなりません。この設置を配布と言い、主にXPLATFORMエンジンにより自動に行われ、HTTPプロトコルを使用します。
V9.2変更事項
XPLATFORM V9.2から既存のInstallShieldではなく、XP Runtime用の自体セットアップモジュールを追加しました。従来のInstallshieldで生成したセットアップモジュールが特定のPCでインストールされない不具合が発生したため、それの改善のために自社製作しました。このモジュールの使用方法は、従来のInstallshieldで生成したセットアップモジュールと同じです。 これに従って、実行モジュールを配布するためのInstall Shield Setupモジュールは、9.2以降では提供されません。ただし、UX-Studioなどの開発者向けセットアップは、従来と同じくInstall Shield Setup方式で提供します。
配布の段階
配布はダウンロードと設置を一緒に行い、大きく3種類の段階に分けて実行します。
XPLATFORMエンジンの配布段階
配布活動を担当するXPLATFORMエンジンを配布します。
ウェブブラウザやexe形態の設置ファイルにより配布されます。
ウェブブラウザによる場合には、当社で提供するCABファイルを利用します。
コンポーネント及びオブジェクトの配布段階
画面構成の主要モジュールであるXPLATFORMコンポーネントとオブジェクトを配布します。
ここで開発者が追加開発したコンポーネントとオブジェクトも配布します。このコンポーネント及びオブジェクトのリストはUX-Studio上で指定することができ、Type definitionファイルに保存されます。
XPLATFORMエンジンがこの段階の配布を処理します。
応用プログラムの配布段階
開発者が開発した応用プログラムを配布します。
応用プログラムの配布は、Intelligent Cache技法によりネットワークを使用して効率的に行われます。
XPLATFORMエンジンがこの段階の配布を処理します。
配布フロー
ほとんどの配布はXPLATFORMエンジンにより実行されます。では、XPLATFORMエンジンはどのようにして使用者の端末機に設置されるのでしょうか? XPLATFORMエンジンは、主にウェブブラウザによりCABファイルで設置されます。ウェブブラウザを使わない場合は、実行形式インストーラを別途に提供します。
以下は、CABファイルで設置する場合の配布サーバーと使用者の端末機の関係図です。
上記の図を段階別に説明すると以下の通りです。
1段階:XPLATFORMエンジンの設置
ウェブブラウザはCABファイルを利用してXPLATFORMエンジンを設置します。CABファイル(XPLATFORM9_SetupEngine.cab)のインストールのためにウェブブラウザが最初にアクセスするHTMLは、以下のようなコードが挿入される必要があります。
<HTML> <HEAD> <TITLE> Plugin sample page </TITLE> <BODY> <object id="XPLATFORMAXCtrl" classid="clsid:43C5FE00-DD32-4792-83DB-19AE4F88F2A6" CodeBase="http://127.0.0.1/XPLATFORM9_SetupEngine.cab#VERSION=2011,10,4,1"> </object> </BODY> </HTML>
ここでのバージョン番号は設置するモジュールのバージョンに依存するため、その値が異なる場合があります。
2段階:XPLATFORM応用プログラムの実行環境の設定
XPLATFORMエンジンは、最初の応用プログラムの配布及び環境設定のためにADLファイルをダウンロード及び解析します。Aと言う応用プログラムを実行するには、A応用プログラムの環境情報を格納しているADL(拡張子:xadl)ファイルがなければなりません。
ADLはApplication Definition Languageの略字で、アプリケーションの構成に必要な要素を定義するファイルです。このファイルはアプリケーションモデル、基本画面の配置、コンポーネント及びオブジェクトの構成、テーマの構成、グローバル変数、グローバルスクリプトを定義します。
3段階:Type definitionファイルのロード
XPLATFORMエンジンは、A応用プログラムが使用するコンポーネント及びオブジェクト情報を得るために、Type definitionファイルをダウンロード及び解析します。
ADLファイルは応用プログラムの環境情報のほとんどを保持していますが、応用プログラムが使用するコンポーネント及びオブジェクト情報は、別ファイルのType definitionファイルに保存されます。ADLファイルの中にはType definitionファイルのパスのみが格納されています。
Type definitionファイルはUX-Studioにより自動管理されます。
4段階:コンポーネント及びオブジェクトの設置
XPLATFORMエンジンは、応用プログラムで必要なコンポーネント及びオブジェクトをダウンロード及び設置します。設置対象リストは、3段階の実行の中でダウンロードしたType definitionファイルにより取得することができます。
5段階:応用プログラムの実行
XPLATFORMエンジンは、ADLの内容の通りに応用プログラムの設定を終えてからUI画面をダウンロードして表示します。使用者のUI情報はFDLファイルに格納されており、拡張子はxfdlです。FDLはForm Definition Languageの略字で、UI画面とUIロジック情報を含んでいます。
設置用ファイル
当社は、XPLATFORMの配布のために様々な設置用のファイルを提供します。
セットアップファイル
以下の表は、XPLATFORMのセットアップファイルに含まれる主要モジュールです。
セットアップファイル名 | |
---|---|
XPLATFORM9_SetupDeveloper.exe | XPLATFORM Engine (XPLATFORM.exe + library dll + default theme), Component, Object, XPLATFORMAX(ActiveX), XPLauncher(ActiveX), UX-Studio |
XPLATFORM9_SetupEngine.exe XPLATFORM9_SetupEngine.cab | XPLATFORM Engine, XPLATFORMAX(ActiveX), XPLauncher(ActiveX) |
XPLATFORM9_XPLauncher.cab | XPLauncher |
ライセンスファイル
以下の表は、ライセンスファイルの種類です。
セットアップファイル名 | |
---|---|
XPLATFORM_Server_License.xml | XML形式のファイルで提供します。 X-API jarファイルと同一位置またはclassesフォルダに位置します。 X-APIとHTML5の実行時にチェックします。 |
XPLATFORM_Client_License.xml | XML形式のファイルで提供します。 ウェブでアクセス可能なパスに位置します。 ADLのlicenseurlに該当ファイルへのパスとファイル名を設定します。 ランタイムとウィジェットの実行時にチェックします。 |
Tool License | プロダクトキー形式の文書で提供します。 UX-StudioのHelp – About UX-Studioで登録します。 |
主要モジュールの機能
以下の表は、配布される主要モジュールの機能です。
モジュール名 | 主要機能 |
---|---|
XPLauncher |
|
XPLATFORMAX |
|
XPLATFORM Engine |
|
XPLATOFORMの配布の種類
XPLATFORMの配布は、XPLATFORMランタイムがどのような形式で実行されるのかによって、配布方法が異なります。
XPLATFORMランタイムの実行形態
XPLATFORMランタイムのコア部分であるエンジンが、どのような形態で実行されるのかにより2種類に分けることができます。“Executionバージョンの実行”と“ウェブブラウザプラグインバージョンの実行”の2種類です。
また、その実行形態により配布方法も異なります。
“Executionバージョンの実行”は、XPLATFORMランタイムを独立したプロセスで実行することを意味します。XPLauncherによる実行とexeファイルの実行の2種類の方法があります。
“ウェブブラウザプラグインバージョンの実行”は、ウェブブラウザに組み込まれた状態でXPLATFORMランタイムを実行することを意味します。
以下の図は、実行の種類を図式したものです。
基本配布の種類
XPLATFORMの配布は、XPLATFORMの実行形態により3種類に分けられます。
“Plugin配布”、“XPLauncher配布”、“exe配布”の3種類に分けられ、それぞれの内容を以下の表により比較しました。
種類 項目 | ウェブブラウザ Plugin配布 | XPLauncher配布 | Exe配布 |
---|---|---|---|
Running Window | ウェブブラウザ | XPLATFORMランタイム | XPLATFORMランタイム |
設置ファイル | XPLATFORM9_ SetupEngine.cab | XPLATFORM9_ SetupEngine.cab | XPLATFORM9_ SetupEngine.exe |
XPLATFORM9_ SetupEngine.exe と XPLATORM9_ XPLauncher.cab | |||
エンジンの 実行 | XPLATFORM ActiveX の実行 | XPLauncher ActiveX の実行 | XPLATFORM.exe の実行 |
ショートカットの使用 | なし | ショートカットの生成 | ショートカットの実行 |
ショートカットを使用するには、“XPLauncher配布”方式と“exe配布”方式を複合的に使用しなければなりません。XPLauncherを利用してショートカットを生成し、exe実行方式によりショートカットをクリックして実行します。詳細な説明は“ショートカットによる配布”を参照してください。
応用プログラムのキャッシュ
開発者が開発した応用プログラムは、配布サーバーから毎回ダウンロードするのではなく、ネットワークを効率的に使用するためにキャッシュを使用します。このキャッシュ技法は当社が特許登録した技法で、XPLATFORM及びMiPlatformでのみ使用することができます。
キャッシュの種類
XPLAFORMがサポートするキャッシュの種類は以下の通りです。
キャッシュの種類 | 説明 |
---|---|
None | キャッシュ機能を使用しません。 このため毎回サーバーからデータを受信します。 主にデータセット関連の通信時に使用します。 |
Dynamic | サーバーから受信したファイルが更新された時にのみ受信します。 サーバーのファイルが更新されない場合には、Local Cacheファイルを再利用します。 ※ cachelevelを指定しなかった場合、デフォルト Cacheプロパティは Dynamicに適用されます。 |
Session | XPLATFORMエンジンを起動する時に1度だけ受信し(もしもLocal Cacheファイルと一致すれば再利用)、該当のエンジンが終了するまでLocal Cacheファイルのみを使用します。 |
Static | サーバーから1度でも受信したこのとあるファイル対し、XPLATFORMエンジンの再実行と関係なくLocal Cacheファイルのみを使用します。 このため、再受信したい場合にはバージョンアップしてください。 |
XPLATFORMは、1度使用したLocal Cacheファイルをメモリに格納して使用します。メモリを利用すればキャッシュファイルのアクセス回数が減るというメリットがある反面、プロセスのサイズが大きくなるというデメリットもあります。しかし、メモリはキャッシュファイルを分析及び変換した構造体の情報を持っているので、構文解析工程の処理時間を減らすため実行速度を速めます。
キャッシュの適用方法
XPALTFORMがサポートするキャッシュは、開発者が開発した応用プログラムにのみ適用されます。即ち、コンポーネントやオブジェクトはXPLATFORMが自動管理します。キャッシュ機能の設定はUX-Studioにより行い、Type Definitionファイルに保存されます。
以下は、UX-StudioのType Definition Editor画面です。
XPLATFORMエンジンのバージョン管理
ほとんどの配布は、XPLATFORMエンジンが管理します。XPLATFORMエンジンは主にウェブブラウザによって配布されると説明しました。では、XPLATFORMエンジン自体がアップグレードされた時にはどのように配布するのでしょうか? XPLATFORMエンジンが自らアップグレードします。
XPLATFORMエンジンのアップグレード情報の登録
XPLATFORMエンジンがADLファイルをロードし応用プログラムの実行環境を設定する段階で、アップグレードするか否かを決定して実行します。即ち、エンジンに対するアップグレード情報はADLファイルに格納されています。
以下の画面は、UX-StudioのADLプロパティでアップグレード情報を登録する画面です。
各項目の詳細説明は以下の通りです。
プロパティ名 | 説明 |
---|---|
enginesetupkey | セットアップファイルのProductキーです。 XPLATFORMエンジンを使用する時には何の値も入力しません。しかし、開発者が別途のセットアップファイルを作成する時には、該当するセットアップファイルのProductキーを入力します。 |
engineurl | セットアップファイルが存在するサーバーのURLパスです。 |
engineversion | セットアップファイルのバージョンです。 |
licenseurl | ライセンスファイルのパスを設定します。 |
“1段階:XPLATFORMエンジンの設置”の例題を見ると以下のHTML情報があります。ここで使用するオブジェクト情報をADLプロパティとマッチさせると、容易に理解することができます。
XPLATFORMエンジンのアップグレードの実行
“XPLATFORMエンジンのアップグレード情報の登録”と同じUX-StudioでADLプロパティ値を入力してからADLファイルを配布サーバーに格納すると、XPLATFORMエンジンがADLファイル内のengineurlとengineversion値を現在設置されているXPLATFORMエンジンと比べてアップグレードします。既に設置されているエンジンのバージョンは、使用者のコンピュータの“コントロールパネル/プログラムの追加/削除”で確認することができます。
XPLATFORMエンジンをアップグレードする場合には、XPLATFORMエンジンが再起動されます。